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新しい年のはじまりに

新しい年のはじまりに。 今よりもっと見晴らしのよい場所まで行けたらと思う。そこで美しい世界を見ることができたらと思う。そして望んだ場所まで行けなかったときにも、その場所まで行こうとした道程が、その努力の痕跡が、自分の人生そのものなのだと、正…

心が癒えるということ①

私は20才から26才の終わりまで7年間、心療内科でもらった薬を服用していた。 初めて心療内科を受診したのは高校2年のときで、20才で限界に達して、それで私は自分から医師に薬を飲みたいと申し出た。 抗うつ剤を飲むことになったという事実は私の自尊心を致…

彦根について④

京都に出てからのことは書こうとは思わない。私は少しずつ幸福になろうとしていて、そして幸福について語ることほど愚かなことはない。 18才から必死に生きて、30才の射程圏にまで入った。しかしまだ結末は迎えていない。私はまだ幸福も不幸も手にしてはいな…

フリードリヒ・ニーチェについて

フリードリヒ・ニーチェは1844年、プロイセンのザクセン州レッケンに生まれた。1900年に死去するまで55年の生涯を送ったが、彼の哲学の偉業のほとんどは30代の終わりから40代前半の5年ほどの間に成し遂げられている。そして45才で精神病院に入り、55才までの…

彦根について③

それから私は京都へ出た。大学に入った18才のことである。 今では彦根の街が好きだと言うほかないが、その当時は彦根の街が息苦しくて、街から早く抜け出したいと思っていた。 私は昔から気弱な性格だった。腕っぷしも強くなかった。小学校や中学校ではいじ…

彦根について②

私は結局恋人を得ることなく高校を卒業した。私の孤独感は誰にも分かち合われることなく、行き場なく私の心に沈殿しつづけた。彦根城下の光景だけが私を癒した。 正確には一度だけ付き合ったことがあった。しかしそれもすぐに終わってしまった。 私は自分の…

彦根について①

彦根について書く。ここからブログをはじめる。 彦根は私の生まれ育った街だ。 かつて徳川家家臣の井伊家が彦根藩を治め、私が生まれた頃は井伊家の末裔が市長をしていた。昭和の終わりの話だ。人口10万人の落ち着いた城下町で、桜と紅葉の季節には彦根城へ…